180412 ま~ゆ寺子屋

『世界の自然と人々の暮らし』も今回で4回目。舞台は日本です。

◎上田は海の底だった
はじめに日本列島の地図を見ながら日本列島の成り立ちから話が始まりました。
1500万年前には糸魚川から静岡(フォッサマグナ)を結ぶ線の東側から千葉県付近まで
土地が陥没し日本海と太平洋がつながった時期があったそうで、そのころの上田は海の底
だったとか。
上田の伊勢山や小泉の地層からはイルカの化石(シナノイルカ)が出土してそれを証明して
いるとのこと。
また太郎山は火山灰が積もった緑色凝灰岩でできていると言われていたけど、最近の調査
から流紋岩と言われるようになっているとか。

いや~地理と歴史と地学の勉強を一緒にしてるみたいでした~。

◎日本列島の森林帯(極相植物群落)は気候帯によって四つに分かれる
◆植生分布と文化
①イタジイ:沖縄地方-琉球文化(亜熱帯気候)
②スダジイ:九州地方-照葉樹林文化(暖温帯気候)
③ブナ:本州東北地方-ブナ文化(冷温帯気候)
④エゾマツ:北海道地方-アイヌ文化(亜寒帯気候)

◎植物群落の時間的変化(植物遷移)菅平の例
裸地やじるし⇒シロザ⇒ヒメジオン⇒ヨモギ⇒ススキ⇒アカマツ⇒ミズナラ⇒ブナのように
遷移。最終的に極相林の森になる。(約130年くらいかかるそうです)
菅平のブナ林、舞田のアカマツ幼樹、青木村のアカマツ林や伊勢山のコナラ林など、
いっちゃさんの調査、木の成長実測についてもお話をお聞きしました。
アカマツ林にはミズナラの幼樹がありアカマツの成長と個体数の変化でアカマツの本数が
減少しミズナラが成長していくそうです。

◎松枯れ対策
近年問題になっているアカマツの松枯れ対策で害虫防除に薬剤が散布され上田市だけでも
年間1億円くらい使われている。
松枯れの原因にはいろいろあるがアカマツの寿命ということもある。
マツタケを栽培するにはアカマツ林を順次更新していくことも必要とのこと。
いっちゃさんは、自然はダイナミックに変化すると事例をたくさん紹介されました。

◎人々の暮らしに森林エネルギーを
人間のエネルギー利用には石油・石炭などの火力、原子力、水力、地熱、風力などの
エネルギー源があるが、木材など植物の光合成によって変換された太陽光エネルギーが
もっと注目されるといいとのこと。

◎日本のエネルギー資源輸入実態
96%を海外に依存し、自給はたった4%。輸入代金は年間およそ10兆円から20兆円にもなる。

◎地域の森林を活用
伊勢山のコナラ林の生産量から算出した年間のCO2吸収量や放出量から電気エネルギーへの
換算量も紹介されました。
上田市の森林で市の14%の家庭の電力を賄うことも可能とか。
(私には計算式が少し難しかったけど・・・)

この地域の森林を熱電発電(ゼーベック発電)で活用したらエネルギーの地産地消になると
実験道具と結果も紹介されました。
これを広く実用化するにはまだまだ道のりがありますが、地域資源を見直し地域で活用する
ことは、これからの社会や安全保障の面でもとても大事な視点だと改めて思いました。

今回は私たちが暮らす上田市周辺の調査を交えてのいっちゃさんの熱のこもったお話に、
たくさんの方から質問が出ました。
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毎回豊富な写真や資料を用意して分かりやすく説明してくださる
いっちゃさん、ありがとうございました。

PS:ケニアの工房の木彫人形を持って来て見せてくださいました。
素晴らしい出来栄えの作品でした。

★次は5月17日(木)午後1時30分から市民プラザ・ゆうの大会議室です。
南アメリカ・アマゾン地域が舞台です。

文:ケセラさん

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